HIS健康情報.com(女性編)

「女性の悩み」メニュー

美 容 肥 満 月経・更年期 骨粗しょう症
便秘症・下痢症 失禁・排尿異常

肥満

※ご注意

記載内容については、一般的に、ご参考にしていただきたい情報でございます。お客様毎に体質、原因や症状は異なります。詳しくは、かかりつけの医師にご相談されることをお勧めいたします。

 

カロリーを蓄える身体のメカニズム(吸収と蓄積)

1.糖質や脂質の吸収と代謝

私たち身体は、光合成によりエネルギー成分を体内でつくり出せる植物とは異なり、食事からすべてのエネルギー成分を取り込まなければなりません。その主なエネルギー成分が糖と脂肪です。

摂取成分の行方 解    説
消 化 口腔、食道、胃、十二指腸などで消化液や腸内細菌によって、吸収されやすい形に変化します。特に糖質は消化酵素であるアミラーゼやα-グルコシダーゼによってグルコースまで完全に分解され、また脂質は膵液などから分泌される消化酵素リパーゼなどによって分解されます。
吸 収 口腔、食道、胃、十二指腸などで消化液や腸内細菌によって、吸収されやすい形に変化します。特に糖質は消化酵素であるアミラーゼやα-グルコシダーゼによってグルコースまで完全に分解され、また脂質は膵液などから分泌される消化酵素リパーゼなどによって分解されます。
肝臓にて生合成 一部は肝臓の中でつくられるたくさんの酵素によって、分解・再合成されます。
血液中からの取込 膵臓から分泌されるインスリンなどのホルモンによってインスリン受容体が活発になり、細胞膜を通りやすくして細胞内に取り込まれてゆきます。
細胞内の代謝 細胞の中では、代謝系とよばれる入ってきた栄養素を利用する機能があり、酸素を反応させて効率の良いエネルギー産生したり、タンパク質やホルモン、遺伝に必要な核酸などあらゆる種類のものを合成します。代表的な代謝系に、「クエン酸サイクル」があります。
過剰なものは蓄積される 食事ができない時のためや、エネルギーを消耗する運動などをする前に備えて、グリコーゲンや体脂肪(トリグリセリド)などに変換して蓄積しておきます。必要になった時点で、蓄積されたものを溶かして再利用します。

※Na-Kポンプ

この過程が過剰に発生すると、「Na‐Kポンプ」というグルコースや水分の吸収を促進する機能が働きます。その際、ナトリウム(Na)が血中に移行する(むくみの原因)代わりに、カリウム(K)が大量に排泄されてしまいます。これが肥満時の筋肉調節異常(血圧にも関係)、体液バランスの変化、脂質代謝系の低下などを引き起こすのではないかと言われています。
また、血中コレステロール値が高いと、コレステロールから合成される胆汁の分泌が促進され、余分な脂質の吸収が高まって高脂血症を引き起こし、高血圧症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの成人病へと繋がってゆきます。

2.代謝とは

a)代謝と肥満

代謝とは、食事などから摂取した栄養素を素材として、自分の生命活動のために必要な物質を合成すること、体内の糖質、脂質、タンパク質に蓄えられているエネルギーを、生体内化学反応に利用できる形に変換することをいいます。私たちが生きてゆく上で、呼吸と食事からの栄養補給は欠かせないということです。
ところで現代の食事は、化学合成調味料、遺伝子組み換え食品、養殖や栽培によるによる合理性食材など、本来の生命活動に必要な栄養素が著しく損なわれたものになっています。さらには、抗生物質(食肉などに多い)を利用した添加剤の体内への取り込みなどによる生体内システムの異常など、代謝を狂わすものが氾濫しているのが現状です。
例えば、合成添加物を解毒するために、体内エネルギー、ビタミン、ミネラル、アミノ酸など様々な栄養素を消耗しなければならず、そのために体脂肪を燃焼させる代謝系の働きが後回しにされるという結果となります。 また、食品中に含有される抗生物質は腸内細菌のバランスを崩し、過剰栄養素の消費や、有害物質の分解などを低下させます。肥満は、栄養の摂りすぎではなく、代謝に必要な栄養素の不足であることを認識してください。

b)糖質や脂質はエネルギー源以外にも利用される

主な代謝系 解    説
ペントースリン酸回路 肝臓、白血球などの活性化
代謝酵素の合成 NAD、NADP、FADなどの合成原料
脂肪酸合成 体内生理活性物質や細胞膜などの原料
コレステロールの合成 副腎皮質ホルモンなどの原料
電子伝達系(共役系) 酸素を利用して大きなエネルギーを産生(コエンザイムQ10も関与)
タンパク質合成 ヘモグロビン、体内SOD酵素のなど原料

3.交感神経とダイエット

自律神経には、交感神経と副交感神経があり、バランスを調節しながら影響しあっています。例えば昼間は交感神経が活発になって脂肪を燃焼させてエネルギーを生み出し、夜間の安息時には副交換神経が働いてエネルギー産生を低下させます。交感神経が活性化されると「アドレナリン」と呼ばれる物質が分泌されて、脂肪細胞膜にあるアドレナリン受容体に刺激を与え、エネルギー消費促進、脂肪分解促進、筋肉量増加(アミノ酸の筋肉への取り込み促進)を高めて、ダイエットの効果を高めてゆきます。昼と夜のバランスが悪い生活をしている人は、無駄なダイエット方法をしているか、身体に負担がかかるようなダイエットを試みないと効果がないかもしれません。

4.セルライトとは

臀部や太ももなど、脂肪が多い部分にできるエクボ状の皮膚のことです。皮下組織では、肥大化した脂肪の周りに水分や老廃物がたまり、大きな塊となるために、皮膚表面が硬く凸凹になります。原因は血行不良によるむくみ(浮腫)に始まり、脂肪の代謝が悪化して脂肪細胞内に脂肪が過剰に蓄積することによります。さらに大きくなった脂肪細胞は、血管を圧迫して血行不良をおこします。最終的には脂肪細胞同士が凝集して塊となり、皮下組織細胞の壊死に繋がります。

5.夜食と早食い

生体では、昼間は交感神経が活性化されてエネルギー消費が高まりますが、夜間は副交感神経が活発になり栄養素を体内に蓄積しようとします。したがって夜食を摂ると、体脂肪に変換されて蓄積されやすくなるのです。肥満で昼寝を好む人は、エネルギー消費が高まっている時間帯に、副交感神経を活性化させてしまうので、さらに脂肪が蓄積される結果となります。眠くても昼寝は禁止です。
満腹感とは、大脳にある満腹中枢が血中の血糖値を感知して、血糖値上昇が認められたことを認識した時点で感じる感覚です。しかし感知するまでに通常20分以上かかるため、早食いをすると、実際には満腹なのに必要以上に食べてしまうことになります。ゆっくり時間をかけて、良く噛み、満足しながら食したいものです。

 

肥満症

1.肥満症とは

肥満とは、脂肪が体内に必要以上に蓄積した状態をいい、それによって身体の異常をきたした場合を「肥満症」と呼んでいます。肥満の原因の多くは、内分泌異常(ホルモンの異常)です。それでは、いくつかの原因となる項目に分けてお話します。

分  類 解    説
視床下部性肥満 視床下部とは、脳(間脳)にある食欲やホルモン分泌調節をつかさどる場所で、感覚や情緒、性欲なども調節します。そこには満腹中枢(満腹を感じる)と空腹中枢(空腹を感じる)があり、お互いのバランスで食欲を決めています。ここにストレスや緊張(自律神経緊張変化)が起こると、インスリンを高濃度に分泌させて「高インスリン血症」にさせます。このことが、過食させるとともに、肝臓や脂肪細胞における脂肪合成を著しく促進して、脂肪蓄積が高まります。
遺伝性肥満 遺伝的な要因として、脂肪細胞がもっている血中の脂肪取り込み酵素(リポ蛋白リパーゼ)の活性が高い、褐色脂肪組織機能不全による熱産生の低下、遺伝的高インスリン血症などがあげられます。
食餌性肥満 高カロリー食(高脂肪、高ショ糖)の過剰摂取によるもので、高インスリン血症はあまり関係ありません。過食を自制し運動不足を解消すれば、ほとんどの場合は解決します。
ストレス誘導性肥満 ストレスを感じると、周囲にある食物を手当たりしだい食べてしまい急激に太るタイプです。

2.症状と診断方法

a)体型分類と症状

分  類 解    説
上半身肥満
(りんご型肥満)
腹部から上が肥満している状態で、糖尿病や高脂血症などを合併しやすく、いびきが大きい、呼吸が苦しいなどの症状もあらわれます。
内臓型肥満 腹部の臓器である肝臓(脂肪肝)などに蓄積するもので、GOTやGPT値が高い方はこのタイプに入ります。
下半身肥満
(洋ナシ型肥満)
お尻から下に脂肪がついている場合(セルライトなど)で、多くは下半身のむくみ(浮腫)を伴います。立ち仕事が多い人や太もも内側のたるみなどがある人は、このタイプです。指で押してもすぐに戻らないのが特徴です。

b)診断方法(日本肥満学会計算表)

分  類 解    説
肥満度(%) (〔現在の体重(kg)〕-〔標準体重(kg)〕)÷〔標準体重(kg)〕×100=20%以上あれば肥満
※標準体重(kg)=〔身長(m)の二乗〕×22
BMI(ケトレー指数) 〔現在の体重(Kg)〕÷〔身長(m)の二乗〕=25以上であれば肥満
ウェスト・ヒップ比 〔ウェストの周囲〕÷〔ヒップの周囲〕=女性は0.85以上、男性は1.0以上あれば上半身肥満

c)主な合併症

肥満が原因となる病気は多く、糖尿病、高脂血症、高血圧、痛風、脂肪肝、関節炎、胆石症、月経異常、がんなどです。特に今後注目される合併症は「成人病」で、肥満者に多い過酸化脂質が高血圧、心筋梗塞、脳梗塞(認知症の原因)、がん(免疫異常)などの病気に繋がってゆきます。

 

予防と養生法

1.注意したい栄養成分・食品

栄養成分・食品 解    説
食物繊維 食物繊維は消化・吸収されないために、カロリーにならない、長時間腹持ちが良い、糖分や脂肪分を大便と一緒に排泄するため吸収を低下させるなど、食事から得るカロリーの調節をすることができます。この時、乳酸菌やビタミンB1(ニンニク)などを一緒に摂ると、腸内細菌が糖分などを利用して腸管からの吸収を調節します。ニンニクを食べた翌朝に大便が出やすくなるのは、腸内善玉菌を増やすからです。
ただし、ビタミンやミネラル不足による肥満では、代謝に必要な栄養素までも吸収できなくなります。食事以外にビタミンやミネラル剤などを必ず補給しましょう。
果物類 果実はそれ自体食物繊維ですが、レモンのようにクエン酸が含まれたり、バナナにカリウムが含まれたりと、肥満に対する栄養素が摂取しやすい食品です。 ただし南方系果実は水分が多く、お腹を冷やして腸内細菌のバランスを崩すこともあります。また水分の多いものは体内カリウムの排泄につながります。過食は控えてください。
ビタミン
ミネラル
ビタミンやミネラルは酵素・補酵素の働きをして、糖質や脂肪などの肥満栄養素を効率よく代謝します。例えば、にきびのできやすい人はビタミンB2を内服させるのは、脂肪を分解する酵素であるからです。にきびは汗腺に溜まった脂肪をアクネ菌が餌として繁殖し化膿したものです。
摂りすぎ注意
炭水化物 エネルギー源になりやすい
砂糖類 高カロリーとなる
アルコール 高カロリーである上、他の栄養素を含まない
動物性脂肪 血中コレステロールや中性脂肪を増やす
化学調味料 食塩などの化学調味料が多量に使用されていて高カロリー栄養素の吸収を高めてしまう

2.養生法

養生法 解    説
充分な健康管理を 肥満は、高い摂取カロリーと低い消費カロリーの差によっておこります。食事制限は必ず行いますが、運動など消費カロリーを高めることも怠ってはいけません。ただし、食事制限はカロリーの高い食品を対象にします。脂肪などを燃焼・分解させる、代謝に必要な栄養素は制限してはいけません。
欲求不満
ストレス
欲求不満やストレスが蓄積してゆくと、自律神経のバランスが悪くなり、ホルモン分泌異常や、食欲・情緒の異常行動があらわれやすくなります。特に疲れてくると、味の濃い食品が摂りたくなり、甘いものや辛いものを欲して摂取カロリーが多くなり、微量必須栄養素のバランスが悪くなります。最近のダイエット用健康食品には、鎮静効果を期待するハーブ類を加えてくるようになってきています。
食生活の管理
間食の禁止
食事は一日3回規則正しく摂りましょう。食事の間隔があくと、身体は食べ物が入ってこない状態を想定して、余計に脂肪を蓄積しようとします。また早食いは血糖値が上昇する前に、一回の食事量の限界を超えて食べることになり、過食に繋がります。朝食と昼食を重点的に食べ、カロリー消費の少ない夜の前の食事は控えめにしましょう。
定期健診 肥満の実態は血液検査などでなければ、正確な肥満の原因、肥満度の測定はできません。また肥満による合併症も同様です。定期検診を受け、常日頃の健康状態を把握しておきましょう。注意しなければいけないことは、肥満は体重の変化が決め手ではありません。「体重は増えていないから大丈夫...」とは思わないでください。

3.治療法

a)食事療法

上記参照。

b)運動療法

急激な運動は控え、適度な運動を心がけてください。

c)薬物治療

詳しくは、かかりつけ医師又は薬剤師へご相談ください。