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がん(悪性腫瘍)

※ご注意

記載内容については、一般的に、ご参考にしていただきたい情報でございます。お客様毎に体質、原因や症状は異なります。詳しくは、かかりつけの医師にご相談されることをお勧めいたします。

 

免疫とがん細胞

1.免疫細胞とは

生命すべてを構成する基本単位「細胞」は、それ自体が一つの生命体です。そして同じ目的や生き方を選んだ細胞が一ヶ所に集まり「組織」をつくり、異なる組織を束ねて一つの世界又は宇宙を構成させたのが「人体」です。生命には、細胞や細菌、バクテリアのように細胞分裂することで遺伝子の複製(コピー)をつくって繁栄するものと、ウイルスや動植物などのように異なった遺伝子を組み合わせて違う子孫を残すものに大別されます。いずれの場合も共通することは遺伝子(染色体)を持っていて、その情報によって生命活動を行っていることです。

a)がん細胞を攻撃する免疫細胞

免疫をつかさどる細胞を、一般に「白血球」と呼んでいます。白血球には顆粒球、リンパ球、単球に分類され、それらがバランスよく連携することで、免疫システムを完成させています。

種 類 解    説
顆粒球 好中球 旺盛な食作用を有し、細菌などを偽足を伸ばして取り込みます。
好酸球 寄生虫病やアレルギー疾患によって増殖し、抗原に対してSOD酵素(抗活性酸素酵素)や分解酵素を放出して溶かそうとします。
好塩基球 骨髄の疾患で増えます。肥満細胞(マスト細胞)と呼ばれ、ヒスタミンなどを含有します。
リンパ球 B細胞 骨髄でできる抗体産生細胞で、免疫グロブリン(Ig)を有します。免疫グロブリンとは抗体を構成するタンパク質のことで、特異的に抗原(ウイルスやアレルギー発症物質)を結合させる構造をもっています。
K細胞 抗体で覆われた腫瘍細胞を、溶解して死滅させる働きがあります。
T細胞 胸腺で成熟する免疫細胞で、マクロファージから抗原提示(抗原の種類を認識するメッセージ)をうけて(免疫応答)、いくつかの細胞に変化します。
・ヘルパ−T細胞 B細胞の抗体産生細胞への分化を助けます。
・サプレッサーT細胞 過剰免疫を抑制します。
・キラーT細胞 ウイルス感染した細胞やがん細胞を破壊します。
NK細胞 ナチュラルキラー細胞とも呼ばれ、ある種のウイルス感染細胞、腫瘍細胞や移植骨髄細胞などに対して傷害活性を示します。
単球(マクロファージ) 血液中に遊走する食作用をもったもので、骨髄で発生・分化します。旺盛な食欲をもち、付着性・運動性に富み、体内で生じた死細胞、変性した自己成分や外部から侵入した細菌などの異物を食し、消化して排除します。そのほか、腫瘍壊死因子などのサイトカイン類などの物質の産生、抗原提示などの免疫調節作用の役割を担っています。

b)免疫細胞同士は連絡を取り合っている

免疫細胞たちは化学物質である「サイトカイン」というタンパク質を分泌して、お互いが得た情報や指示を伝え合っています。例えば細菌などの異物が進入すると、まずマクロファージがそれを食して、その情報をヘルパーT細胞に伝え、ヘルパーT細胞はB細胞・キラーT細胞・NK細胞などに指示を出すといった具合です。

c)免疫細胞の情報のやり取りするシステムと物質(サイトカイン)

サイトカインとは、免疫細胞などから放出されるタンパク質(多くは糖タンパク)の総称で、免疫調節作用、炎症反応制御作用、抗ウイルス作用、抗腫瘍作用、細胞増殖・分化の調節作用など、細胞間の相互作用に関する触媒の働きがあります。代表的なものに、インターフェロン(主にウイルス抑制因子)、インターロイキン(白血球間のシグナル伝達)、TNF-α(腫瘍壊死因子)などがあります。

※代表的なサイトカイン

分 類 主 な は た ら き
インターロイキン(IL) リンパ球や単球などが産生するもので、白血球細胞間のシグナル伝達物質。
インターフェロン(IFN) ウイルス感染時に産生・分泌されるもので、ウイルス抑制因子とも呼ばれます。
腫瘍壊死因子(TNF-α) 主にマクロファージが産生するもので、細菌やウイルス、寄生虫などの刺激によって産生されます。
リンホトキシン(LT・TNF-β) 抗原やウイルスの刺激によってリンパ球から分泌されます。
エリスロポエチン 赤血球の産生調節因子。主として腎臓から分泌され、腎組織の酸素濃度の変化により、産生が調節されます。
繊維芽細胞増殖因子(FGF) ヘパリン結合性増殖因子ともよばれ、けがをしたときなどに傷口をふさぐために増殖する繊維芽細胞の増殖を助けます。

d)がん細胞へアタックする免疫細胞のメカニズム

がん細胞やウイルスなどの異物が存在すると、マクロファージがこれらを捕食し、その残骸を抗原としてヘルパーT細胞に提示します。これを受けてヘルパーT細胞はB細胞、キラーT細胞、NK細胞などを活性化させます。この時に産出されるのが、インターロイキン(IL)やインターフェロン(IFN)といったタンパク質です。 これらの各細胞は、相互に関連しあいながらがん細胞を攻撃するため、その作用は非常に複雑となります。

2.がん細胞のできる条件

私たちの身体を構成しているすべての細胞には、癌遺伝子と癌抑制遺伝子が組み込まれています。腫瘍になるためには、この癌遺伝子のスイッチを入れる要因が必要なのです。スイッチONを誘導する物質などのファクター(因子)を「イニシエーター」といい、腫瘍を悪性(癌)に変化させるファクターを「プロモーター」と呼んでいます。しかし、このようなファクターが存在するからといって、必ずしも腫瘍になるとは限りません。

※主な原因による分類

原因分類 解    説
ウイルス・細菌
真菌類(カビ)
ウイルスが増殖・子孫保存として選択した方法は、自分の遺伝子を感染細胞に注入して、その細胞の遺伝子分裂・再生を利用することで、自分の遺伝子を変化させて、より環境に適応したウイルスへと変化させることです。このことにより、感染細胞の一部は腫瘍細胞へと変化してゆきます。細菌や真菌類は、患部に取り付いて、感染細胞のタンパク質などを栄養源として増殖し、細胞に異変を起こし腫瘍化させます。
環境ホルモン
(外部活性酸素)
特に皮膚や粘膜といった、直接空気中の酸素や発癌物質と接触して腫瘍となるケースです。皮膚や粘膜表面の脂質(脂肪酸)やタンパク質構造が発生する活性酸素によって変化し、腫瘍化するものです。代表的なイニシエーターには、タバコ(タール、ニコチン)、食品の焼け焦げ部分、あく、食品添加物(亜硝酸アミル、二級アミンなどが反応してできるニトロソアミンなど)などがあります。プロモーターは、排気ガス、不完全燃焼ガスなどです。
生体内活性酸素 体内で発生する活性酸素により細胞膜や内臓器などに発生するもので、過酸化脂質や化学物質(ベンゾピレンなど)があります。特に重要なのは、免疫異常が起こったためにマクロファージ(貧食細胞)が多量に発生し、免疫活動が異常促進した場合です。マクロファージはウイルスや細菌、コレステロールなどの異物を細胞内に取り込んで処理する際に、活性酸素を大量に放出します。このことがかえって、正常細胞膜を刺激して炎症を活発化させ、細胞変化に繋がってゆきます。

3.腫瘍とがんの違い

「腫瘍」とは、生体内で自立性の細胞増殖を示すもので、このうち増殖が局所に留まるものを「良性腫瘍」、局所に留まらずに近接する組織に浸潤、又はリンパ管や血管を介して遠隔組織に転移するものを「悪性腫瘍(癌)」と呼んでいます。
悪性腫瘍は、癌腫(身体の表面や臓器などの細胞にできる腫瘍)と肉腫に分類されます。主な発生原因は発癌性物質、放射線・電磁波、宿主細胞に取り付いたウイルスなどが細胞のDNA(癌遺伝子や癌抑制遺伝子など)に影響を及ぼすことによります。

4.抗原抗体反応

抗原(ウイルスや細菌、花粉、寄生虫など)が一度体内に入ってくると、マクロファージなどの食作用などで抗原の情報を後免疫細胞に伝えます。後細胞の中のB細胞は、その情報により抗原のタイプ別に、ある種のタンパク質(抗体)をつくり始めます。
二度目に抗原が入ってきたら、以前の情報によってつくられた抗体を産生して、免疫システムがスムーズに作用するようにします。これが「抗原抗体反応」とよばれる一連の反応です。特に免疫グロブリンは重要な成分のひとつで、IgGやIgEなどが広く関与します。

 

がん(悪性腫瘍)

a)がん(癌)とは

正常な生体内細胞が何らかの原因により突然変異を起こし、本来の働きとは違った性質を身に着けた細胞をいいます。それらの癌細胞は、生体内化学物質や橋渡し細胞を利用して周囲の細胞を同じように変化させたり、浮遊細胞となって他の場所に付着(転移)し同属をつくります。違った性質とは、遺伝情報を書き換えて異質なタンパク質を合成したり、必要な時に遺伝子情報の取り出しスイッチがONやOFFにならない、子孫に異常な遺伝情報を伝えるなど、様々な行動がみられます。さらに癌細胞の特徴として、自らの周囲に専用の血管を新生して、栄養と酸素を取り込みながら増殖します。そしてある程度成長すると、その一部が血管やリンパ管を通って身体中に転移し増殖します。

b)ウイルスの繁殖に利用される遺伝子

ウイルスが子孫を残すためには、他の宿主の力(感染)が必要となります。ウイルスは自分の遺伝子を子孫に伝える方法として、感染した細胞の核膜(遺伝子が収められている)内に遺伝子を注入し、細胞の遺伝子と自分の遺伝子とを組み合わせ分裂させて、自分の遺伝情報を残すという方法を選択しました。このことでウイルスは一世代ごとに性質が変化し、環境の変化に対応しているのです。

c)DNA癌ウイルス

遺伝子配列がDNAである癌ウイルスのことで、ウイルスが感染している細胞(宿主)には癌をつくらないが、感染した細胞には自分の遺伝子を注入してがん細胞に変化させてしまいます。細胞には癌抑制遺伝子が組み込まれていますが、注入されたウイルス遺伝子はそれに結合して、抗癌活性を抑制してしまいます。

d)発がん物質によるがん化

天然や合成の化学物質で、それを生体内に取り入れたことにより、癌を引き起こす物質をいいます。いわゆる環境ホルモンです。排気ガスや工場廃水、不完全燃焼物などがあります。また食品添加物や調理法による副産物、電子レンジや送電線、音響製品やパソコンなどから発生する電磁波など、発癌物質は身の回りを埋めています。これらは細胞内に潜在的にもつ癌遺伝子(発癌イニシエーター)のスイッチを入れるものや、それを促進させるもの(発癌プロモーター)になるものもあります。

2.主ながんの種類

種 類 解    説
咽頭喉頭がん
胃・食道がん
喉頭や食道、胃の粘膜は粘液によって保護されていますが、物理的な刺激や細菌類、粘液分泌不全などにより、粘膜細胞が攻撃されて突然変異を起こし増殖したものです。
大腸がん
直腸がん
肉食過多や食物繊維不足などによる化学的な刺激、腸内細菌類による攻撃などが原因とされています。多くの場合、粘液不足によって腸管壁が弱体化した結果といえます。
肺がん 喫煙や環境ホルモン(不完全燃焼物やアスベストなど)、ウイルスや真菌類(カビ)などにより、肺胞(ガス交換を行う)が変異したものです。これらの原因は、すべて活性酸素をつくり出します。
肝臓がん 肝炎ウイルスや真菌類、薬剤の服用などによって起こりやすい病気です。他の組織でできた癌細胞が、肝臓に運ばれて発症することもあります。
膵臓がん ウイルスや、消化管ホルモンの過剰合成により膵臓細胞が変異を起こすなどが原因です。特にインスリン(血糖降下ホルモン)をつくるランゲルハンス島細胞は、活性酸素にも弱いとされています。
膀胱がん 腎炎や膀胱炎などが慢性化して、癌細胞に変異したものです。また尿路感染症なども原因の一つです。
副腎腫瘍 腎臓のすぐ上にある副腎は、ホルモンの多くを合成・放出する臓器です。ホルモン合成や放出異常などによる変異が、原因とされています。原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫など血圧を上昇させるホルモン類を過剰放出させます。
皮膚がん 皮膚にできた癌細胞のことで、皮下脂肪や皮膚細胞の直接的な酸化反応、紫外線による遺伝子の突然変異などが原因です。
脳腫瘍 ウイルスや環境ホルモン、脳動脈硬化などが原因とされています。またホルモン分泌フィードバック(ホルモン分泌を刺激させる分泌刺激ホルモンを抑えるなどの作用))にも関連性が疑われています。
甲状腺がん
副甲状腺がん
甲状腺・副甲状腺ホルモンの分泌異常や、放射線被爆、ヨウ素不足などが関与します。
白血病 血球(赤血球や白血球など)は骨髄でつくられます。この白血球が成熟しないまま増殖して、正常な免疫反応が示せない病気です。
悪性リンパ腫 リンパ液が流れるリンパ管にできた癌です。
乳がん 乳腺にできる癌で、肥満や女性ホルモン(エストロゲン分泌)異常などが原因です。
子宮がん 女性性器の中にできたもので、ウイルスや細菌感染、性交、ホルモン異常などが原因です。
卵巣がん 女性ホルモン分泌異常や、過多月経などが原因です。
前立腺がん 男性ホルモン異常、性交、ウイルスなどが原因として考えられています。

3.症状と診断方法

a)症状

専門医にご相談ください。

b)診断方法

専門医にご相談ください。

 

予防と養生法

1.注意したい栄養成分・食品

栄養成分・食品 解    説
野菜や果物類 色の濃い野菜や果物には、ビタミンC、β-カロチンやポリフェノールといった抗酸化成分が豊富に含まれ、活性酸素による癌化を抑制します。またβ-カロチンには粘膜を強化する作用もありますので、これらは加熱せずに食したいものです。
食物繊維 食物繊維は癌の原因ともなるコレステロールや過剰の胆汁、食品添加物を糞便とともに体外に排泄する効果があります。またキノコ類も多糖体と呼ばれる食物繊維の一種で、特に免疫細胞を活性化させる働きもあります。
善玉腸内細菌を増やす食品 腸の働きを整えることは腸管免疫を活性化して、全体的な免疫活性を促します。また悪玉腸内細菌から発生する発癌物質を、善玉細菌(ビフィズス菌など)が減量や分解します。普段から乳酸菌製品を摂って、腸内のバランスを整えておきましょう。
脂質・塩分 脂質や塩分は、動脈硬化症や高脂血症など、発癌要因となる病気を発生させます。また、スナック菓子などには塩分が多く、必要以上の食用油を使用しているため、食べすぎには注意しましょう。
鮮度の落ちた食品など 食品や食用油の鮮度が落ちると、発癌性物質である過酸化脂質の含有量が飛躍的に伸びます。食品は鮮度を確かめて、早めに食するようにしてください。また、焦げた食品は活性酸素を多量に含んでいます。

2.養生法

養生法 解    説
充分な健康管理を 癌になる遺伝子は、すべての人が持っています。しかし発癌しないのは、スイッチが押されないからです。発癌スイッチとは、ウイルス感染や環境ホルモンなどを生体内に取り込んだときに発生します。このような要因を遮断する又は近寄らないなど、予防は最大の防御です。
ストレス 過剰のストレスを感じると、生体内ではたくさんの活性酸素が発生します。このことが生体膜の性質を変化させたり、細胞内の代謝異常、遺伝子を守る核膜の弱体化、遺伝子分裂の異常、免疫調節異常など様々な異変を起こします。
肥満
糖尿病
高脂血症
肥満や糖尿病、高脂血症は、血中脂質を増やし免疫システムを低下させるほか、過酸化脂質などの発癌誘発成分の濃度を高めてしまいます。また過剰な脂質(リン脂質)が生体膜の変質を促進して、活性酸素やウイルスの標的となります。
嗜好品 過剰のアルコール摂取は中性脂肪を増やして、免疫調節を低下させます。タバコは直接粘膜に作用して粘膜癌を引き起こしたり、ニコチンやタールは粘膜細胞に結合して表面の保護成分を分解(酸化)し、ウイルスや細菌などの侵入を防げなくなります。活性酸素も大量に発生させます。
定期健診を 癌は発症しても、進行しなければ目立った症状はあらわれません。必ず定期検診を受けて、早期発見・早期治療を行ってください。例えば内臓には知覚神経はほとんどなく、痛みをほとんど感じることはありません。痛みが慢性的になってからでは、進行している可能性が大きく治療が困難になってゆきます。

3.治療法

a)食事療法

上記参照。

b)薬物治療

詳しくは、かかりつけ医師にご相談ください。