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※ご注意

記載内容については、一般的に、ご参考にしていただきたい情報でございます。お客様毎に体質、原因や症状は異なります。詳しくは、かかりつけの医師にご相談されることをお勧めいたします。

 

呼吸器のしくみとアトピー体質

1.呼吸器の仕組み

呼吸器とは、私たちが生きてゆくうえで必要不可欠な呼吸をおこなう気管の総称で、気道(鼻腔、咽頭、喉頭、気管)と肺が属します。呼吸とは、体外から肺胞に空気を取り入れ(吸気)、肺胞内のガスを外気に排出する(呼気)ための繰り返し運動をいいます。

2.アトピー体質

a)アレルギーと免疫

ほとんどの人にはなんでもないことなのに、一部の人には異常な反応を起こす「元(抗原)」になるものがあります。その「元」に過剰に反応した疾患をアレルギーと呼んでいます。私たちの身体には、自分(自己)とそうでないもの(非自己)を区別する機能システムがそなわっていて、一度入ってきた非自己に対して、二度目は撲滅しよう(抗体の産生)と攻撃します。これが「免疫システム」です。例えば、インフルエンザ注射は、毒性を弱くしたインフルエンザウイルスを体内にあえて入れ、身体の中に一度入ったウイルスの情報を蓄え、本格的に外から入ってきたインフルエンザウイルスに対して攻撃を加えることができるようにするためのものです。

b)抗体とアレルギー症状の発症について

免疫システムの一貫で産生された抗体は、抗原の種類別(細菌やウイルスなどの種類別)に、それぞれに対して特異的に反応するように特徴づけられます。免疫システムのスイッチが入りますと、抗原に合った抗体が肥満細胞にくっつき、抗原と肥満細胞との橋渡し役になります。抗原が肥満細胞に結合している抗体に吸いつけられたとき、化学物質(ヒスタミンやセロトニン、プロスタグランジンなど)が肥満細胞から放出され、症状(気管収縮、鼻水、咳、炎症)が発症されます。

c)アトピー体質とは

肥満細胞と抗原を橋渡しする抗体とは、免疫グロブリン(Ig)とよばれるタンパク質でできたもので、特に「IgE」というタイプが大いに関与します。このIgE抗体をもち、そのことで各種の発作が誘発されやすい体質を「アトピー性体質」と呼んでいます。このIgE抗体は、加齢などにより退化することが多く、子供のころはアトピー体質であったのに、大人になると症状が軽減または消失することがあります。IgE抗体を見出せないもので、中年以降に発症するアレルギーを「非アトピー性」といいます。

3.アレルギーが無いのに気管支喘息になる人とは不随意神経が関与

a)随意神経とは

私たちの臓器や組織は、神経という脳からの指令を伝達するシステムを持っています。例えば、誰かに皮膚を抓られると、「痛い」という刺激を知覚神経を使って脳に伝えます。すると脳は、じっとこらえて我慢しろとか、痛いから押さえろとか、指令を必要部署に支持して事に当たります。しかし、これはいわゆる「随意神経」というもので、意識的に自由になる神経ネットワークです。

不随意神経とは

随意神経に対して、気管支喘息は「不随意神経」が関与して起こる病気なのです。
ここでは、私たちの意志に支配されない「不随意神経(自律神経)」とよばれる神経についてお話いたします。つまり、生きるために最低限必要な指示を、本人の意思によらないで行う神経のことです。例えば、「自分の心臓を止めたい」と念じただけでは止まらないですね。心臓は自律神経の支配を受けていますから、「最低限必要な生存の条件」にそって動いているわけです。
気管も同じで、抗原があるなしに関わらず、何らかの理由で自律神経の調節がうまく行かず(自律神経失調症など)、気管が収縮して気道が細くなります。例えば、夜に布団の中に入って寝付こうとすると咳込むような人は、夜間にはたらく副交感神経が過敏に作用して気管支を収縮することによります。その際、痰が出やすくなることが多いようです。(このような症状の方に、副交感神経に相反する交感神経刺激薬が出ることがあります)いったん細くなった気道では、肺にあるガスを排出できにくいので、排出させようと咳き込むように呼気を出そうとします。

4.ストレスを感じると症状は悪化します

ストレスとは、外部からの予想されなかった刺激(物理的、精神的など無関係)に対して、身体が防衛しようとする一連の反応をいいます。平たく言えば、「そうあって欲しくない」という不快感なのです。
ストレスを感じると、神経の調節が不安定になる、体温や血圧が下がって脱力感を感じる、水分の排泄が増えるなどして血液が濃くなる、毛細血管などを通りすぎて血管内容物がしみだし充血や炎症、血管膨脹(粘膜膨脹による気道の狭窄)などがおこります。この状態で、身体は副腎皮質ホルモンを分泌して、これらの環境を変えて、症状を改善しようとします。副腎皮質ホルモンは、身体の代謝が良くなければ多量に合成できないため、普段からストレスが多く感じている人や、栄養不足、代謝異常のある人などはストレスに対して弱いということになります。
アレルギー疾患や気管支喘息の方で、医者から副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)剤を長期に処方されている方は、リラックスすることを考えると良いかもしれません。

5.市販薬の服用は注意が必要

市販の風邪薬や咳止め薬(鎮咳去痰薬)のほとんどの商品には、麻薬性成分というものが入っています。この成分は、脳の咳中枢という場所に作用して直接咳を止めます。しかし注意したいことは、気管支喘息の方は、肺に留まっているガスを咳によって出そうとするわけですから、咳を止めてしまったらガスを排出できないために息苦しくなります。非麻薬性成分や、気管支拡張成分のお薬も販売されていますから、必ず確かめてから使用してください。また、医療用のお薬を服用している方は、必ず医師や薬剤師に相談してください。

※代表的な麻薬性成分

リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデインなど、市販の総合感冒薬や鎮咳去痰薬に一般的に含まれています。ご注意ください。

 

喘息・気管支炎

気管支喘息とは、慢性的な気道(空気の流れを導く管)の炎症による気道の過敏症で、気道閉塞発作を伴う病気です。そのほとんどの原因はアレルギー(アトピー)によるものです。

1.喘息の起こるメカニズム

分 類 解    説
第1段階 慢性的に、気道に炎症をおこしている時、そこへ抗原(アレルゲン)や悪化させる原因が加わることにより発症します。気道に存在するある種の細胞が抗原を認識すると、その抗原に特異的に反応する細胞(Th2細胞といいます)が発生します。Th2細胞から産生された化学物質(インターロイキン)の作用によって、リンパ球(B細胞)から抗体(免疫グロブリン;IgE)が産生されます。
第2段階 肥満細胞の表面にIgE抗体が結合して、抗原との橋渡しのような形で肥満細胞と抗原をくっつけます。すると、肥満細胞から生体内化学物質(ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジン、トロンボキサンA2など)が放出され、これらが気管支筋収縮、血管膨張(気道や鼻粘膜の肥大により内管が狭くなる)、粘液(痰)分泌を高めるなどの症状を発生させます。
活性化されたTh2細胞は、気道炎症の慢性化を引き起こす様々な物質(サイトカイン)を産生するため、気道細胞の障害や脱落を引き起こして、気道炎症および気道の過敏症の亢進を誘発して、喘息を慢性化させるものと考えられています。

2.症状と診断方法

a)症状

咳・痰・息切れ・胸苦しさなどは他の呼吸器疾患と共通する症状ですが、これらの症状が特に夜間や早朝に頻発するようなら気管支喘息の可能性はあります。その他、心筋梗塞などによる左心不全(心臓喘息)、気道狭窄などが原因の小児喘息、感染症などがあります。

b)診断方法

呼吸器科などの医師にご相談ください。

c)主な呼吸器の病気

種 類 解    説
かぜ症候群
(急性上気道炎)
咽頭から鼻にかけての炎症をいい、通常ウイルスの感染によるものがほとんどです。発熱、鼻水、咳、、咽頭炎、頭痛などがみられ、乳幼児では下痢、嘔吐、腹痛などの消火器症状などを伴うことがあります。
気管支炎 炎症が主に気管支に起こった状態をいいますが、小児などのように気管支が細く分泌物が貯留しやすい症候を主症状とする呼吸器疾患も同様に呼んでいます。咳、喘鳴、痰が必ずみられ、発熱、倦怠感、呼吸困難を伴うこともあります。
小児気管支喘息 刺激に対して必要以上に気管支が反応して気管支の筋肉が収縮し、内腔が細くなって呼吸困難を生じる病気です。小児ではアレルギー反応によるものがほとんどで、炎症に加え精神的な要因でも起こることがあります。気管支が細くなると、肺から空気が出にくくなるため、肺は過度に膨脹して肺の中の気管支をさらに圧迫して細くします。そのために、一度にたくさんの空気を吸えなくなるし、吐きにくくもなります。息を吐くときにヒューヒューやゼーゼーといった音がするのも、この症状の特徴です。

 

予防と養生法

1.注意したい栄養成分・食品

栄養成分・食品 解    説
アレルゲンに
なりやすい食材
例えば卵製品(鶏卵、プリン)、乳製品(牛乳、バター)、脂肪類(動物性油脂、植物油)、大豆・豆類、穀物類(小麦、そば)、魚介類(青背魚、貝類)、肉類(鶏肉、豚肉)など、本人のアレルゲンとなりやすい食品は控えましょう。
ヒスタミンやコリン
を含む食材
鮮度の落ちた魚介類、チーズ、ワイン、たけのこ、やまのいも、そば、栗、マツタケ、なす、ほうれん草などに含まれる成分です。
植物油
抗酸化成分
喘息アレルギーをおこす生体内化学物質は、植物油中の不飽和脂肪酸が酸化されて産生されます。そこで酸化されないようにするため、ビタミンCやE、お茶に含まれるカテキンなどを多めに摂取するようにしましょう。
飲酒 肝臓はアレルギーをおこす食品成分を解毒する大切な臓器です。 肝臓で解毒が行われるとき、たくさんの栄養素を利用して「解毒酵素」をつくりますが、肝臓の機能をフル回転するために、肝臓への負担は計り知れないものとなります。

2.養生法

養生法 解    説
充分な健康管理を 喘息は、ほとんどの場合アレルギーが原因です。アレルギーは抗原(アレルゲン)が必ず関与しますので、その抗原を吸入するなどしないように注意することは必須です。 さらに自律神経の機能異常も症状を悪化させますので、日頃の健康管理を十分に維持してください。
アレルゲンの排除 代表的な抗原の種類として、ダニやカビ、ほこりなどがあります。お部屋の清掃をこまめに行う、湿気がたまりやすい風呂場や洗面所の換気を心がけるなど、身の回りにも注意が必要です。また、春先から秋口にかけての花粉なども発症の原因となるほか、冬の過度な暖房なども要因ですので、発症させない工夫をしてください。
喫煙 喫煙は刺激ガスを気道に吸入する行為です。気道が過敏になっている状態が喘息なのですから、良いはずはありません。さらに、含まれるニコチンは気管を収縮させ、タールは気道粘膜を被ってしまい健全な粘膜の作用を妨害します。直接喫煙しない方でも周囲に喫煙者がいれば、毒性の強い副流煙(吸引する反対側の煙)を吸い込むことになります。周囲の方の協力も必要です。
ストレス 小児科にアレルギー疾患で罹られるお子様の多くは、親が過度なストレスをかけていることが多く見うけられます。ストレスを感じると免疫反応が異常となり、アレルギーを起こしやすくなります。気持ちを落ち着かせて、好きなことに熱心になることなどは、身体を正常に保ち、異常反応を回避する最良の処方箋かもしれません。
定期健診は欠かさずに 喘息の症状は、その時々の環境や抗原の種類によっても変化してゆきます。それに伴って、お薬の種類や服用量もその症状にあったものに変えてゆかなければなりません。必ず定期検診を受けて、現在の状況を把握して、適切な処置を行ってください。

3.治療法

a)食事療法

上記参照。

b)運動療法

激しい運動は控えてください。

c)薬物治療

詳しくは、かかりつけ医師又は薬剤師へご相談ください。