HIS健康情報.com(神経疾患編)

「神経疾患」メニュー

認知症 不眠症・神経症 神経痛・関節痛 高血圧症
メニエール病

高血圧症

※ご注意

記載内容については、一般的に、ご参考にしていただきたい情報でございます。お客様毎に体質、原因や症状は異なります。詳しくは、かかりつけの医師にご相談されることをお勧めいたします。

 

血圧とは

血圧とは、心臓から排出される血液と血管壁との摩擦圧力で、心拍出量、動脈や末梢血管の抵抗、血液の粘度などによって変化します。一般的に血圧と呼ばれるものは、上腕動脈圧(動脈血圧)のことで、心臓に近い部分では最も高く、末梢血管、毛細血管に行くにしたがって低くなります。
正常血圧は、年齢とともに多少高くなりますが、成人男性(20〜25歳くらい)では最高血圧が120mmHg、最低血圧が70mmHgです。老齢になると最高血圧が140〜150mmHg、最低血圧は2/3となります。女性の場合は、少し低めに出るのが通常です。

血圧測定値は常に一定ではない

心臓は収縮・弛緩を繰り返すので、動脈血圧には脈拍性変動があり、心臓収縮期に血圧は最も高く(最大血圧または収縮期血圧)、弛緩期に最も低く(最小血圧または弛緩期血圧)なります。ところで、血圧はあらゆる条件で変化することをご存知でしょうか。

a)血圧は常に変化します

皆さんが血圧計で血圧を測ろうとするとき、ほとんどの方が2〜3回以上、同時間に行っているのではないでしょうか。そして数値が変化すると、「機械の故障では...」と思われる方が、非常に多く見受けられます。実は、血圧の変化があって当たり前なのです。
血圧計の多くは、「圧迫法」と呼ばれる方法で測っています。腕帯などの中にある袋に空気を挿入して膨らませ、血管を一時的に締め付けます。そして、これ以上縮まらない時点で脈音を測り最高血圧とし、血管が逆に膨らんできて、一定以上の音を腕帯のマイクロフォンが拾えなくなった時点を最低血圧として表示しているのです。当然ですが、この操作を繰り返せば、血管の収縮力が1回目よりも変化しますし、さらに心拍も変化します。

b)血圧の正しい測り方

基本的に注意していただきたいことは、毎日同じ時間に、同じ環境で測るということです。血圧は常に変化しますので、これを守っていただかないと、正確な血圧は測れません。加えて以下のことに注意してください。

注意事項 解    説
時間を決める 毎日同じ時間に測ることで、その日の血圧の高低を比較できます。
1日2〜3回測る 早朝、夕方と就寝前では血圧値は違います。通常、早朝は低く夕方から夜にかけて高くなります。
1度に2回以上測らない 血圧の数値は変わってきます。
測る身体の箇所を決める 腕帯の装着場所は一定にしてください。(右腕または左腕どちらか一方、肘に近い部分など)
測る腕を心臓の高さにする 心臓の高さにすると、心臓に近い血圧として測れます。
測る前には休息する 血圧とは、安静時の血圧を指します。身体を動かしたり、テレビなどを見て視覚や聴覚を活発化させていると、正確な血圧は測れません。ただし、休息は椅子に座って行ってください。
周囲の騒音や刺激を絶つ 周囲環境の刺激でも、血圧は上がります。
食直後・空腹時は避ける 食事によって自律神経が変化して、血圧は変化してしまいます。
深呼吸して息を整える 呼吸の状態を整えます。
血圧計は複数台使用しない 血圧計の機能によっても、数値は変化します。特に腕帯式と指先式では、機能も違いますし、測っている血管の種類も異なります。
薬や健康食品などを
服用する前に測る
血圧降下剤に限らず、血圧に関係する薬や健康食品を服用した後では、正確な数値ではありません。

c)ストレスや緊張でも血圧は上がる

ストレスや緊張によって中枢神経に異常な刺激が加わると、自律神経のバランスが崩れて、交感神経が優位(興奮)になります。交感神経は心拍数の増加、一般血管の収縮、副腎髄質におけるカテコールアミン(エピネフリン)分泌促進などに働く神経です。休息やリラックスを感じると副交感神経を優位にしますので、血圧の調整にも働きます。

 

高血圧症

高血圧とは、最高血圧(収縮期血圧;心臓が収縮して血液が排出された時の血圧)または最低血圧(拡張期血圧;心臓が拡張して血液を心臓に取り入れるときの血圧)の一方または両方が、正常血圧よりも高い数値を示した場合をいい、高血圧症は高血圧が原因で起こる疾患の総称です。

※WHOによる高血圧の定義

分 類 最高(収縮期)血圧 最低(拡張期)血圧
通常血圧 120未満 80未満
正常血圧 130未満 85未満
正常な高値 130〜139 85〜89
軽度高血圧 140〜159 90〜99
中程度高血圧 160〜179 100〜109
重症高血圧 180以上 110以上

1.高血圧を起こすメカニズム

高血圧は、生体内の作用がいくつか組み合わされて発症します。その一つである「レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系」という代謝系についてお話します。

※レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系

この代謝系は、血圧や生体内の電解質(ミネラルイオン)代謝の調節に関与するものです。腎臓の旁糸球体細胞でつくられた「レニン」という物質の合成から発生するために、この名称がつけられています。腎臓の血流量が減少すると、レニンが合成・放出されて、代謝系が働いて血圧上昇を起こします。レニンを放出する因子として、脂肪酸からつくられる血圧上昇局所ホルモン(プロスタグランジンなど)があります。
アンジオテンシン2が合成されると直接血管を収縮するほか、原発性アルドステロン症(副腎皮質でアルドステロンというホルモンの分泌を高め、ナトリウムや水分の再吸収を促進します)、褐色細胞腫(副腎髄質から自律神経の伝達物質であるカテコールアミンという物質の遊離を促進させます)などを引き起こして、血圧を上昇させます。さらにこれらは、心拍を促進して血流量を増やし、高血圧の発症に働きます。

アンジオテンシノーゲン(肝臓でつくられるα2-グロブリン)
  ↓←腎臓の旁糸球体細胞からレニン放出←腎血流量減少
アンジオテンシン1
  ↓←アンジオテンシン2変換酵素
アンジオテンシン2
  ↓
血管を収縮、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫

2.症状と診断方法

a)症状

合併症により異なります。

b)診断方法

循環器科などの医師にご相談ください。

c)主な関連疾患

疾患名 解    説
動脈硬化症 動脈壁が硬く厚くなって、血液を正常に送ることができなくなった状態です。この病気は高血圧との関連が強く、脳出血や脳梗塞などの血管障害に深く関与します。
心筋梗塞・脳梗塞 動脈がつまり、そこから先へ血液が流れないために、心筋細胞や脳細胞が壊死した状態をいいます。一般的には、動脈硬化症や高血圧との合併症としてあらわれます。
狭心症 心臓の細胞に酸素や栄養分を運ぶための冠動脈が狭くなり、心臓の筋肉の収縮に必要な酸素が不足して、胸痛などを起こす病気です。
不整脈 健康成人の安静時脈拍(毎分60〜80)を逸脱する脈拍を打つ状態をいいます。動悸やめまい、息切れなどの症状を伴います。
低血圧症 血圧が正常値よりも比較的低く、そのことにより併発する病気の総称です。一般的には、収縮期血圧が100mmHg未満、拡張期血圧が60mmHg未満をいいます。

 

予防と養生法

1.注意したい栄養成分・食品

栄養成分・食品 解    説
食塩 高血圧の最大の原因となる食塩(ナトリウム)は、糖質や水分の腸管からの吸収、血管壁細胞への取り込みを促進します。これにより血管は柔軟性を失うため、高血圧症を誘発します。また糖質の摂取過剰は、肥満にも繋がってゆきます。
食物繊維 食物繊維は食品中の過剰な栄養素を吸着して、吸収を妨害します。とくに高血圧に関与する食塩、糖質、脂質などを吸着して糞便として排泄させます。また原因となる食べ過ぎや、高血圧によるのぼせやほてりなども改善する効果があります。積極的に摂りたい栄養素です。
カリウム
カルシウム
カリウムやカルシウムは食塩(ナトリウム)の害を減らす効果がありますので、積極的に摂りましょう。特に不足しがちなのはカリウムです。カリウムを豊富に含んだ果物や、ニガリ(塩化カリウムや塩化カルシウムなどを含有)などを利用すると良いです。
食用油 食用油にはアラキドン酸由来の脂肪酸が多く含まれ、局所的に血圧上昇をおこす物質(血圧上昇局所ホルモン)を合成してしまいます。食用油を控えるか、植物油(α-リノレン酸が多いもの)や魚油を摂るようにしましょう。

2.養生法

養生法 解    説
充分な健康管理を 高血圧は、発症因子となる食品や嗜好品の過剰摂取、中枢神経や自律神経の異常、ウイルスなどの感染症など様々な要因で発症します。この要因をできるだけ制限することが、予防や治療の第一歩となります。健康管理には充分に注意を行うことが重要です。
ストレス ストレスなどによって中枢神経系に異常な刺激が加わると、自律神経の交感神経が亢進して、血管を収縮し血管透過性が高まって症状を悪化させます。リラックスできる時間をつくるとともに、周囲の方にも協力をお願いして、休息できる環境をつくるように心がけてください。
肥満 高血圧になる要因として、肥満があげられます。肥満は脂肪や糖質などの過剰摂取により、その一部が過酸化脂質などの代謝物となって血管の柔軟性を低下させたり(動脈硬化)、物理的に血管を圧迫するなど直接的な原因となります。
適度な運動 肥満や血行改善に運動を取り入れる方がいますが、過剰な運動は心臓や血管に負担をかけ、症状を悪化させる可能性があります。早足歩行程度などの軽い運動を30分間くらい行い、それを毎日持続させるようにして、心臓などの負担をなるべく軽減してください。
嗜好品 飲酒は体脂肪の蓄積に繋がるほか、必要栄養素の不足をまねきます。また直接血流量を増やします。タバコは毛細血管の血管収縮作用があるため、特に末梢の血行を悪化させます。タバコは厳禁です。

3.治療法

a)食事療法

上記参照。

b)運動療法

激しい運動は控えてください。

c)薬物治療

詳しくは、かかりつけ医師又は薬剤師へご相談ください。