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心筋梗塞・狭心症

※ご注意

記載内容については、一般的に、ご参考にしていただきたい情報でございます。お客様毎に体質、原因や症状は異なります。詳しくは、かかりつけの医師にご相談されることをお勧めいたします。

 

心臓のしくみ

1.心臓のしくみとはたらき

全身に血液を運搬するための血管である動脈と、血液を回収する静脈を連結し、血液の流れをつくるポンプの役目をするのが心臓です。心臓には四つの部屋があり、大静脈で運ばれてきた静脈血は右心房・右心室を経て肺に送られ、ガス交換(二酸化炭素を排泄して酸素を血液中に取り入れる)が行われます。ガス交換が終了した血液は、左心房・左心室を通って大動脈へ送り出されます。

a)拍動を起こす「伝導路」

心臓の規則正しい収縮や心拍の強さを決めているのが、心臓の筋肉(心筋)に張り巡らされている刺激伝達系です。視床下部や延髄から発せられた刺激は、迷走神経や交感神経を通って、いったん心臓の洞結節に入って調節を受けます。次いで洞結節から、心房と心室の収縮や拡張を制御する房室結節などの各刺激伝達線維に伝導されます。<

b)脳の刺激を伝える神経系

心臓の動きは、主に頸髄から連なる交感神経や副交感神経(迷走神経)のバランスで成り立っています。交感神経から分泌された神経伝達物質(ノルアドレナリン)によって心拍数や収縮力を高めて興奮し、迷走神経から分泌される神経伝達物質(アセチルコリン)によって、心拍数を減少させて刺激伝導を遅らせます。

c)冠(状)動脈とは

心筋細胞に酸素や栄養を与えるために心臓上に伸びた血管です。この血管の狭窄や閉塞によって心筋細胞が充分な酸素や栄養を獲得できない時、正常な心筋の運動ができないばかりか、心筋の細胞が死に至り、心臓の機能が停止してしまいます。

2.心臓の運動をつくるミトコンドリア

a)ミトコンドリア内にある「呼吸鎖(酸化的リン酸化)」とは

細胞の中に宿るミトコンドリアは「細胞の発電所」と呼ばれ、呼吸(酸素の利用)による酸化と高エネルギー中間体であるATP(アデノシン三リン酸)の産生を行っています。脂肪酸やアミノ酸、糖質の酸化(燃焼)により、H+(水素)またはe-(電子)を発生させてエネルギーを産生し、最終的に酸素と反応させてH2O(水)を生じる一連の反応を「呼吸鎖」と呼んでいます。ここでつくられるエネルギーを高エネルギーリン酸(ATPなど)に補足させて、様々な生化学反応に関与させてゆくわけです。心筋も含めた細胞の運動は、このシステムでつくられる高エネルギーを利用します。

b)呼吸鎖で重要な酵素「コエンザイムQ10(CoQ10)」

ミトコンドリア内でつくられた電子は、様々な酵素(タンパク質)に取り込まれて、その酵素反応によりエネルギーを産生してゆきます。酵素とは化学反応を起こす際に、電子のやり取りを行うタンパク質のことです。ミトコンドリアにおける呼吸鎖の中心的な役割をするのが「CoQ10(補酵素Q)」とよばれる代謝物で、最終的には酸素を分子に変えてゆきます。つまり酸素呼吸生物は、CoQ10があるからこそ呼吸し、生命活動を行えるのです。

c)生命活動や運動に欠かすことができない電子伝達系(呼吸鎖)

身体を構成する基本単位は細胞です。その細胞は、細胞内にミトコンドリアを約2,000個宿しています。呼吸によって細胞内に取り込んだ酸素をミトコンドリアに渡し、高エネルギーに変換してもらっているのです。ミトコンドリアにつくってもらったエネルギーを利用して、細胞は生き、周囲の細胞と連絡しあって調和のとれた運動ができるのです。心臓を構成する組織(心筋細胞の集合体)は、この機能が最も重要視される器官といって良いでしょう。

3.心筋(心臓自体の筋肉)の運動に不可欠なカルシウム

心筋は横紋筋(収縮運動をする筋肉)で、ミトコンドリア数が多く、持続的でゆっくりした運動を行う筋肉です。この筋肉は、ミトコンドリアの酸化的リン酸化反応によりエネルギーを得て活動します。心臓が興奮すると収縮力が高まりますが、心臓を速く拍動させるために速やかに弛緩(拡張)させる必要が生じます。この時には、ミトコンドリアでリン酸化が起こります。逆に収縮が始まると、心筋に豊富にあるCaイオンを取り込む入り口(Caイオンチャンネル)を開けて、たくさんのCaを取り込みます。このバランスにより、心臓は正常なリズムをつくれるのです。
ところで血中のNaイオンが高濃度にあると、心筋細胞に取り込まれたCaイオンを細胞外に排出させる効果を高め、正常な心拍のリズムに変調をきす原因になります。また血中電解質であるCaイオンが不足すると細胞は興奮し、鎮静的な運動(安定性)の抑制に繋がり、動悸や不整脈の原因にもなります。
食生活では摂取しにくいカルシウムを、健康食品などで必ず補給して、不足しないようにしてください。

 

心筋梗塞・狭心症

心臓は、循環器(血液の流れをつくりだしている器官)系の一部で、心臓の病気は循環器病のすべてに関わってきます。

a)心筋梗塞

冠動脈が動脈硬化などによってつまり心筋に血液を送れない状態で、これが一定時間以上続いたために心筋細胞が壊死した病気です。突然の激しい胸痛が続き、全身に痛みが広がってゆきます。心筋梗塞を誘発する要因としては、高血圧、高脂血症、糖尿病、高インスリン血症、肥満などのほか、喫煙や精神不安などもあげられます。

b)狭心症

心筋の収縮に必要な酸素が不足して、胸痛などの症状が起きる病気です。運動や興奮状態になった時には脈拍数が増えますが、その際心筋にたくさんの酸素が必要となります。動脈硬化などの冠血管狭窄があると、充分な酸素を補給できずに酸素不足となって狭心症発作を起こします。一般的には運動時や興奮時に起こりやすい病気ですが、冠動脈痙攣による安静時発作もあります。

1.症状と診断方法

a)症状

心臓を中心とした放射状の痛みなどを伴います。

b)診断方法

内科、心臓外科などの医師にご相談ください。

c)主な関連疾患

疾患名 解    説
動脈硬化症 動脈壁が硬化して厚くなり、血液の流れを妨害する病気です。主に高脂血症、糖尿病、痛風といった代謝系の病気や、ストレス、喫煙、運動不足などが原因となります。
不整脈 特に安静時に脈拍が異常をきたす病気で、動悸、胸部不快感、めまい、息切れなどの症状を起こします。
心不全 様々な原因により、心臓機能が低下して充分な血液を送り出せないことによって起こる症候群(症状の総称)です。運動時の動悸や息切れ、心臓喘息、うっ血や浮腫などをあらわれます。
心臓神経症 心臓病を患ってはいないのに、胸痛や胸部不快感、呼吸困難、動悸や息切れ、めまいなどを訴える病気です。不安やうつ状態に多くあらわれます。
心内膜炎 心臓の内側を覆っている心内膜に細菌などが感染して起こる炎症です。発熱や関節痛、全身倦怠感などの感染症特有の症状をあらわすことが多いようです。
高血圧症 血圧とは、血流と血管壁との間に示される摩擦度(圧力)で、血管が能力以上の血流を受けると血圧は上がります。高血圧が持続すると各種の血管障害がおこり、心臓では心不全、狭心症、心筋梗塞などの疾患に繋がってゆきます。

 

予防と養生法

1.注意したい栄養成分・食品

栄養成分・食品 解    説
動物性脂肪 動物性脂肪はコレステロールを増やし、植物油や魚油は低下させます。植物油に含まれるリノール酸やリノレン酸はコレステロールの排泄を促進し、魚油(EPA・DHA)は血液中の血小板を固まりにくくして血栓を予防して、動脈硬化を防ぐ作用があります。
食物繊維 食物繊維は食品中のコレステロールや脂肪分を吸着して、吸収を妨害して血中濃度や肝臓への取り込みを抑制します。またコレステロールは肝臓で胆汁に合成されて胆管から分泌されますが、食物繊維は胆汁の再吸収を抑制して、糞便中に排泄させやすくします。これにより血中コレステロールは減少します。
良質のタンパク質
ビタミン
ミネラル類
心臓の筋肉を強化して、正常な筋肉の働きを調節する作用があります。特にビタミンは酸素から供給される電子を、有効に働かせるための酵素に変換され、心臓細胞の酸素消費をスムーズにします。これによって、負担の少ない心臓の運動ができるわけです。またカルシウムやカリウムは、心臓の運動を調節する必要不可欠なミネラルです。
アルコール
カフェイン
過剰のアルコールやカフェインは、心拍数を増やして、神経を昂ぶらせる作用があります。特にカフェインなど利尿効果のある成分は、腎臓に送られる血液量を増やすために心拍数を増やして、心臓の負担を高めます。塩分が過剰になると、冠動脈が収縮しますので症状を悪化させます。

a)積極的に摂りたい食材

素材・成分 解    説
食物繊維 食品中の脂質や塩分の吸収を妨げ、胆汁の再吸収を阻害します。
タウリン 交感神経の抑制作用をもつほか、胆汁の分泌を高めます。牡蠣、さざえ、シジミなどの貝類など。
不飽和脂肪酸 血栓を溶解したり、肝臓からのコレステロール分泌を減少させます。はまち、本マグロ、マイワシ、秋刀魚など魚類、ゴマなど。
大豆サポニン 血栓の基となる過酸化脂質を減らし、動脈硬化を予防します。納豆、減塩みそ、豆腐などの大豆および大豆製品など。
良質動物性食品 コレステロールが血管壁に沈着するのを防ぐレシチンを含みます。豚レバー、低コレステロール鶏卵、牛レバーなどなど。
ポリフェノール類 LDLの酸化を防いで、予防と治療に役立ちます。赤ワイン(適量)、緑茶、青汁など。

b)控えたい食材

素材・成分 解    説
塩分の多いもの 心臓への負担が高くなり、高血圧をまねきます。即席中華めん、たらこ、佃煮、塩辛、塩さけ、たくあんなどの漬物類など。
コレステロールの多いもの 血中コレステロール量を、直接的に増やします。うなぎの蒲焼、鶏卵、いか、するめ、鶏レバー、ししゃもなど。
脂質の多いもの コレステロール、中性脂肪を増やし、血圧を上げます。牛・豚・鶏のひき肉、手羽肉、牛ひれ肉、くるみ、ナチュラルチーズなど。

2.養生法

養生法 解    説
食事制限
肥満体質
過食やまとめ食いは、代謝機能を疲弊させ心臓の負担を高めます。また肥満体質の原因ともなり、血中コレステロールや糖分の増加をまねくことで冠血管の狭窄や閉塞に繋がってゆきます。食事のバランスは、質も量も毎食一定になるように心がけましょう。摂取カロリーと消費カロリーのチェックも必要です。
飲酒
喫煙
飲酒は血中脂質の量を高めるほか、血流量を増やし血管に負担をかけます。少量の飲酒は血行を良くしますが、過剰にならないように充分注意が必要です。
喫煙は心拍数を上げて、心臓に直接負担をかけます。また神経のバランスにも影響を与えますので、禁煙をおすすめします。
ストレス ストレスをためると、自律神経(交感神経や迷走神経)のバランスを著しく低下させます。またストレスを解消するために生体は副腎皮質ホルモンを多量に合成し、神経の興奮性を高めることが知られています。ストレス解消法として、リラックスできる時間をつくったり趣味をもつなど、神経を鎮められる機会をつくってください。
休息と運動 休息は迷走神経を活性化して、心筋の異常興奮を鎮める効果があります。また適度な運動は交感神経の働きを調節して、心筋の働きによい刺激を与えます。(過酷な運動や重労働は禁止)
休息と運動の差を少なくし、毎日の生活リズムを平均化してください。
定期健診 心臓の病気には様々な要因が関与し、その発見には心電図検査や超音波検査、血液検査などを介して行われます。定期的に検査を受け、異常を早期に発見することが予防へ繋がります。また血圧計による家庭でのチェックなども行ってください。

3.治療法

a)食事療法

上記参照。

b)運動療法

激しい運動は控えてください。

c)薬物治療

詳しくは、かかりつけ医師又は薬剤師へご相談ください。