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なぜ健康補助食品は必要なの? 食事から摂れない栄養素をどのようにして摂ったら良いのでしょうか
糖質は免疫システムに関与する 甘いものは控えるのが当然? でも、糖質は重要な栄養素!!
脂質は生体反応に関与する 脂が身体の反応を決める栄養素だった!!
人の身体を老化させる活性酸素 酸素がなくては生きられない、でも酸素が老いる原因だった!!
身体ってこんな方法で守られている 普段感じることができない、身体の防衛反応
肌ってこんなにデリケート 知らず知らずに酷使しているお肌を守るために...

脂質は生体反応に関与する

人も含めた陸上動物は、体内で栄養素の中のひとつ「脂肪酸」というものを都合の良い形に合成(脂肪酸を不飽和化)することがあまりできないため、食物から摂取しなくてはなりません。とくに必要なのは「必須不飽和脂肪酸」と呼ばれるもので、生体内活動には欠かすことのできないものとなっています。この必須不飽和脂肪酸にはリノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などが含まれます。
しかし、これらはすべてが良い方向性で利用されるのではなく、それぞれが形を少しづつ変化させることで相反する作用をもちます。

1.不飽和脂肪酸とは

脂肪には単純脂質と複合脂質とがあり、前者は主にエネルギー源として、後者は身体をつくる骨格の成分やホルモンなどの原料になります。ですから病的でない限り、脂質摂取を抑えてはいけません。
今回のお話は「複合脂質(不飽和脂肪酸を含む)」がメインになります。

「不飽和脂肪酸の構造」

不飽和脂肪酸とは、その構造中に「二重結合」を含んだ脂肪酸のことで、その二重結合の位置によって「ω-3系」や「ω-6系」などに分類されます。このことは非常に重要で、後述する様々な成分に変化して作用を発揮します。


分 類 解    説
ω-3系 代表例:EPA、DHA、リノレン酸
EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は左から3番目に二重結合があり(ω-3)、それぞれ5個と6個の二重結合を持ちます。
EPA・DHAの構造式:CH3-CH2-CH=CH-・・・-CH2-COOH
ω-6系 代表例:アラキドン酸、リノール酸)
アラキドン酸は左から6番目に二重結合をもち(ω-6)、4個の二重結合をもちます。
アラキドン酸の構造式:CH3-(CH2)4-CH=CH-・・・-CH2-COOH

「不飽和脂肪酸の代謝」

食物中から摂取した不飽和脂肪酸は、体内で「エイコサノイド」とよばれる生理活性物質に変化してゆきます。代表例を記載します。(PG1などの数字は二重結合の数を表します。)



※エイコサノイド生合成の代表例(1)

 食物中のω-6系(リノール酸)γ-リノレン酸PG1系、TX1系、LT33系へ
食物中のω-6系(アラキドン酸)PG2系、TX系、LT4系、LX4系へ

※エイコサノイド生合成の代表例(2)

 食物中のω-3系(α-リノレン酸)EPA PG3系、TX3系、LT5系へ

EPAの1日目標摂取量:1.0g
(はまち、まいわし、さば各80g)

2.局所ホルモン

これは炭素数20個からなる脂肪酸で、身体の局所で生理作用をあらわす「生理活性物質」の総称です。通称「局所ホルモン」と呼ばれていて、脳からの指示ではたらく神経やホルモンとは違い、局所だけで瞬時に生合成されて強い生理作用を示すものです。代表的な作用としては、血圧のコントロール、炎症の制御、喘息や鼻づまり、アレルギー反応、消化器官の潰瘍などに関与します。
それぞれのはたらきについて説明しましょう。(表中のアルファベットは種類をあらわします。)


種 類 主 な 作 用
プロスタグランジン(PG2系) A・B・C 血圧降下
血小板凝集抑制、気管支収縮、睡眠誘発
血圧降下、血管拡張、胃液分泌抑制、腸管運動亢進、子宮収縮、利尿、気管支拡張、骨吸収、免疫抑制
血圧上昇、血管収縮、腸管運動亢進、子宮収縮、気管支収縮
G・H 血小板凝集誘起、動脈収縮、気管支収縮
血小板凝集阻害、動脈弛緩
抗潰瘍作用
トロンボキサン(TX2系) 血小板凝縮、動脈収縮、気管支収縮などの強い生理活性をもち、血栓症、狭心症、気管支喘息などの病因のひとつと考えられています。
ロイコトリエン((LT4系) 白血球活性化
C・D 持続性の気管支収縮、小腸運動促進、血管透過性亢進
リポキシン(LX4系) A・B 気管支収縮、細動脈拡張、白血球遊走、免疫調節作用(NK細胞の細胞傷害能抑制など)

3.食品中の不飽和脂肪酸

食品中や健康食品などに含まれる「不飽和脂肪酸」の特徴をまとめてみますと、ω-3系のものを摂ることが望ましいことがわかりますよね。(理想的な摂取比率 ω-6系:ω-3系=4:1)


種 類 主 な 作 用 過剰症
リノール酸(ω-6)
サフラワー(紅花)油、大豆油、コーン油、ごま油、マーガリン
・コレステロールを低下
(動脈硬化の予防と改善)
・α-リノレン酸に対する作用
EPA・DHAへの変換を妨害<
・過酸化脂質になりやすい
・アラキドン酸の原料
・アレルギー症状増幅
α-リノレン酸(ω-3)
しそ油、えごま油、あまた油
・アレルギー症状発現のPGを抑制
・がん細胞増殖抑制
・血圧降下
・血栓解消
特になし
アラキドン酸(ω-6)
レバー(牛・豚・鶏)、卵(特に卵白)、さざえ、あわび
・PG原料 ・PGなどの作用を増強
動脈硬化、高血圧、心不全、脂肪肝、慢性の炎症、自己免疫疾患、アレルギー、アトピーなどを起こしやすい<

種 類 解    説
EPA エイコサペンタエン酸
リノール酸からつくられるアラキドン酸が2系のPGと4系のLTなどを合成するのに対して、EPAは3系のPGや5系のLTとなります。特にアラキドン酸由来のTXA2が血小板凝集、血管収縮を引き起こすのに対して、EPA由来のTXA3はこの作用がないため血栓の予防や高血圧などに有用となります。
また、EPAはいくつかの酵素反応でアラキドン酸代謝を抑え、血液循環を改善します。(脳梗塞、心筋梗塞の予防治療効果)
DHA ドコサヘキサエン酸
α-リノレン酸からEPAがつくられ、そこから体内でもつくられます。直接エイコサノイドにはなりませんが、アラキドン酸から合成されるTXA2やLTの産生を抑制します。
最近の研究では、網膜の外側部分に高濃度のDHAが含まれていることから、膜内を光の粒子が運動できるように活性化して、ロドプシンを機能させるのに必要物質となっているらしいことがわかってきました。
DPA ドコサペンタエン酸
EPAやDHAと同様のはたらきがあります。しかし注目されていることは、DPAが脳の中に特異的に多く、脳のはたらきを活性化しているのではないかといわれています。